中国の労働不足が顕在化してきたようだ。油圧部品の加工している企業で中国広東省の人員不足が話題となった。旧正月で田舎に帰ると戻ってこなくなるという。

Fuji　Sankei　Business　2004.8.28によると、中国工業生産額の40％以上を占める上海周辺の長江デルタ経済圏と南部広東省珠江デルタ経済圏を結ぶ沿岸地帯は、昨年6月時点で10〜20％の労働者が不足してきているという。

労働力は、主に「民工」と呼ばれる地方からの出稼ぎ労働者によってまかなわれている。中国農業省によると中国全土では昨年末で約9800万人、前年同期より５％増えているが、沿岸地帯は不足しているという。

原因の一つに、「民工」が増えつづけてきたため過去12年間に平均給与が68元（約884円）しか増えていない。800元以下（約14,000円）以下が大半で、賃金及び労働条件が悪化してきている。

経済発展が中国各地に拡大が続く中、「民工」は待遇のよい職場を求めて移動するようになった。また地方にも工場が進出し沿岸部まで出稼ぎに行かなくてもよいということもある。労働力不足、賃金上昇の循環が始まってきている。