40名の製造業である。ISO9001導入準備を開始してから9ヶ月が過ぎていた。文書類もほぼ出来上がって、一部運用も開始されているが、社長は当初の導入を決めたときの期待(目的)と形が見えてきたシステムに違和感があるのを感じた。
ISO導入は、経営改善の一端として利益に直接結び付くことを目的としていたが、出来上がってきたものは、まず、認証を取らなければということが色濃く、システム運用でも従来と異質のものがあり、継続運用して行く過程で形骸化、形式化を危惧した。
社長は、ISO準備で社員の意識変化してきていることも認めるなかで、システムが形骸化するならば、無駄なコストが発生し、結果的には顧客満足に繋がらないと、中断という勇気ある意思決定した。準備にかけた費用は無駄になるが、継続的にムダを発生させないための意思決定である。ISO導入目的から見直すという。
また、ISO9001を6年前に認証した、ある中堅企業の幹部と話している中で、各部門管理者自身がISOと利益の関係が結びつかないため、ISOのためのISO維持の仕事で無駄なコストが発生しているという。何回か見直しを行ってきたが、省力化?の改善はできてきているが、本質的な改善ができないという。ISOは、マネジメントシステム規格なので、再構築には相当の勇気が必要といえる。
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