2004年のコンサルティング活動を振り返えって見ると、各業界とも二極化がますます進んできていることを実感する。負け組み企業は、まだ、過去の延長から抜き出しきれずにいる。系列化が大分緩和され、新しい仕事のチャンスが増えているにもかかわらず、従来の取引路線から抜け出れないというジレンマに陥っている。
勝ち組み企業は、その企業のユニーク性を前面に出し、明日(未来)を見ながら活動している。ひとつの例として、精密部品を加工している10名の企業がある。
製品そのものは、顧客が特許で保護しているが、加工技術のコアとなる部分はその会社がノウハウとして確保し、製品歩留まりが高く、ローコストで安定した製品を提供している。親会社及び同業他社ではそのノウハウがないため、同じような歩留まりでは製品ができないという。顧客の販路拡大に伴い、経営資源の確保、補強に忙しい毎日を送っている。
仕事は増えたが儲からないという企業も多い。過去の延長で、目先に追われている。例えば、経営計画の立て方でも、過去の売上の延長から計画を立て、利益を計画するが、売価の国際価格差、製品のライフサイクルの短縮、原料の高騰、社員の労働密度の低下などで、決算をしてみると利益が出ていないという状況が多い。
このような状況からの脱出とする方法として下記手順を提案してきた。
1) | 経営者の考える“あるべき姿”から必要利益はいくらを決め、利益確保のために何をすべきか 筋の通った改善テーマを現場まで落とし込んだ経営計画を立てる。 |
2) | 経営者と社員の共通言語は“経常利益”とし、経常利益の生み出し方を共有する。 |
3) | 改善は日常活動として、その結果を月次単位で評価、全社員が月次目標利益を計画対実績対予 測(このままでは、利益が期末にこのようになる)で見ることで全員参加型の体制を作る。 |
4) | 短期間に過去の延長を断ち切る全社員を巻き込んだ継続的改善のしくみづくりには、ISO9001 品質マネジメントシステムの導入が早道である。6ヶ月でできる。 |
これらの原点は、利益の観点から製品単品をどのように捉えるかであり、直接原価による単品の損益計算が基本である。直接原価計算による製品や顧客の選択意思決定、変動費や固定費の改善による業績アップ、全社員の方向付け、コスト意識の共有による全員参加型の継続的改善など、実務教育に役立つ研修プログラム、ソフト開発、コンサルティング活動を展開してきた。
直接原価を体得するには、前回紹介したマネジメントゲーム(MG)が大変効果的な方法である。マネジメントゲーム(MG)体験者は、儲かる会社作りの推進者をして一番近い距離にいるのかも知れない、体験者が即、経営の場で実践するためには、
1)利益による経営計画の立て方
2)全社員の利益感覚の共有化
3)改善成果の月次評価の方法
4)継続的改善のしくみづくり
を学習することである。
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