ISO9001を認証して2年経過し、4回目のサーベランスを受けた企業から聞いた話である。オープニングミーティングのとき、審査員が「ISOの運用を通じて、会社が利益を出していくには、という観点から審査します」と宣言し、スタトーとした。
この企業のISO担当は、ただ、サーベランスが無事すぎればよいというような考えは持っていない。利益を生み出す監査とは、どのような切り口から監査されるのか、また、組織のパフォーマンスの継続的改善のしくみをどのように監査されるか期待して監査を受けた。
ところが、経営者はじめ管理者、現場責任者の前で、コストを考えて作業する。無駄を無くし効率を考えて作業する。投資効果を意識する。ミス作業の損失金額、各社員の貢献度の数値公表する。など講和に始終し、記録の確認、担当者へのヒアリングがほとんどなかったという。担当者は、拍子抜けし、サーベランスが繰り返されると、こんなにマンネリ化するものかと嘆いていた。
審査員は、規格要求事項の厳密な運用を行い、構築されているマネジメントシステムの有効性について、パフォーマンスの継続的改善を切り口にプロセスを監査することである。その過程である程度のアドバイスは良いと思うが、コンサル業務と紛らわしい行動は、誤解を招くとともに企業の要求に合わない。
コンサルの立場から、「ISOで利益を生み出す」とは、経営理念、品質方針を達成するために必要な計画した経常利益を確保するしくみ作りを提案することである。ISO9001を改善の道具として活用し、経常利益を生み出すマネジメントシステムを作り出すのは企業の仕事である。
最近のコンサル業務の具体的な例として、パフォーマンスを経常利益と定義したしくみづくりを希望する顧客が増えている。2年くらい前とはだいぶ様子が変わってきている。ISOを改善の道具として活用しようとすることは大変喜ばしいことである。ISOを改善道具として活用する3つのポイントを提案している。
1) | 筋の通った経営計画 | 品質方針を達成するためにはいくら経常利益が必要か決める。 |
2) | 経営戦略会計 | 利益とは何なのか、企業と社員の利益貢献の関係を理解する。 |
3) | 改善3つの着眼点と改善手法 | 単品の付加価値ミックス、ロス削減、ムダ取りによる少人化。 |
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