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コンサルの現場から

コラムNo.179

『利益意識教育とMG(マネジメントゲーム)』


コストダウン能力や改善能力の向上のために、社員教育している企業と単に日々の仕事量をこなすことだけに追われている企業とでは、収益力に大きな格差がついてきている。全社員が自分の努力と企業の利益との関係を自覚する利益意識教育が必要である。

以前、MG(マネジメントゲーム)とは何か、を紹介したことがある。数人で企業環境を表したゲーム盤を囲み、一人ひとりが経営者となり、材料仕入れ、製品の製造、在庫、販売の経営活動を行う。そのなかで、各メンバー間での企業競争原理、経営リスクへの取り込み方を体験する。

決算期を5期体験しながらB/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)の作成を通して、利益の創出構造、その意味を体得するものである。データに基づく意思決定能力を養うには優れたツールである。

過日、ある中堅企業の管理者と話をしている中で、MG(マネジメントゲーム)が話題になった。その企業では管理者昇格に際し、MGの研修があるという。利益意識の第一歩である自分の取り扱っている製品の中で、儲かっている製品のベストテンとは何か、を聞いてみたが把握されていなかった。

管理者がたえず、どの製品が儲かるか、又、どの製品が儲からないか把握されていなければ、どの製品をどのような順序で、どのように改善するのか、パレートの原則に基づいた効果的なコストダウン活動を期待することができない。

社内教育の観点として、ある課題を解決するための手法を学ぶ教育には慣れているが、自分で課題を作り出す教育には慣れていない。折角の教育が絵に描いたもちになっている。MGは、意思決定のための利益とは何かを学ぶが、その企業の利益と自分の関係、必要な利益額はいくらかを考え出す教育を同時並行する必要である。

それは、企業のあるべき姿とは何か、自分のあるべき姿とは何か、企業の目的とは何か、自分の目的とは何か、企業の利益と自分の関係、利益に対して自分は何ができるか、目的の目的を追求する教育が必要である。

MGを現場で実践活用するためには、企業のあるべき姿と現状課題との間に筋の通った経営計画を作り、その年度経営計画を達成するために月次目標に展開し、運用管理を行うPDCA(計画・実施・評価・処置)体制をつくることである。

この経営計画の作成、月次目標の展開の過程で、自分の組織のおける重要性の認識と自分が組織にどのように貢献できるかの認識することができる。月次の評価において、部門目標の評価と共に組織目標である利益評価を同時に行うことで組織の利益と自分の関係を認識することができる。


文・末広繁和
更新日:2005-06-06 12:02:56

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