ISO9001認証後3年経つ80名のプレス業の目標管理の状況を見せていただいた。
12センチのファイルいっぱいに3年間の実績が閉じられている。組織目標として社長目標があり、それに基づき各部門目標が設定され、各職場は月別目標を設定し幹部会で実績評価をしている。
各部門ごとに、品質、納期、コスト、安全という切り口から部門目標が設定され、さらに、月次評価を部門一覧表にまとめ進捗状況が一目瞭然と社長目標との比較できるように管理体制が確立している。80名の規模では、一見して、目標展開がうまくいっているように見える。
そこで、この部門目標の評価結果が決算書の経常利益にどの程度貢献しているか総務部長に聞いてみた。総務部長は、実はここ3年間改善活動の推進を重要課題として取組んでいるが、発表される改善成果の割には、決算書の経常利益が増えないという。改善活動の成果を利益に結び付けるにはどのようにするのがよいか悩んでいる。
社長目標を見ると、不良ゼロ、生産性倍増というのが組織目標となっている、不良をゼロにしたり、生産性を倍増すると経常利益がどのような数値になるのかが示されていない。ISOでは目標値は、判定可能であることとなっている。組織目標の判定値が“あいまい”だと現場改善の成果と組織目標のリンクがとれないため、個々の職場の改善目標達成は部分最適化はされても全体最適化とはいえない。
提案として、全体最適化は、自社にとっての組織目標とは何か、会社のパフォーマンスとは何かを追及し、経営者と幹部社員で価値観が共有できる経常利益とするのが良い。そのためには、管理会計の意思決定のため用いる直接原価計算を勉強する必要がある。この場合も組織目標を次年度は経常利益をいくらにするという金額目標を設定するほうが全社員の共通認識と参加意識が高められるというアドバイスさせていただいた。
(C)2000-2008シスラボISOネットワーク All rights reserved. コンテンツ内の画像、文章、HTMLなどの転載禁止 著作権で保護されています。 |
Powered by CINFO.jp |
シスラボ・スエヒロ syslab-ISO-networkを運営している シスラボ・スエヒロのホームページ。 お問い合わせ・質問などはこちらまで。 |