ISO認証後3年を経過した企業の内部監査報告書を見せていただいた。ISO規格要求事項ごとにチェック項目を決め監査を行っている。 しかし、監査結果がほとんど○、×形式に近い形でまとめられている。
7.5製造実現のプロセスの監査結果も同様であった。管理責任者に不良はどのくらいあるか聞いてみた。ISO導入時よりは改善できたがゼロにはほど遠いという。なぜ、もの作りのプロセスが適合しているのに不良がゼロに近くならないのだろうか?
また、総務部長に目標管理の計画書と報告書を見せていただいた、報告書では目標は達成している。総務部長に改善成果が決算書の利益に影響しているか聞いてみた。いろいろと改善報告書は上がってくるが決算書にあまり影響してこないという。
報告書からは、内部監査を実施しているということは解るが、どのプロセスに問題があるのか指摘がない。要するに、ISO内部監査と現実の日常業務が別物なのである。内部監査の目的を忘れ、ISO維持のための監査になっている。
そこで内部監査員にどのような監査のための教育をしているか聞いてみると、とくに何もしてないという。「決めたことを守っているか、その記録はあるのか」のプロセスの適合性に監査はできるがどのプロセスに問題あるか監査できない。
ISO導入時は、ISO規格に適合するかは重要なので、それでもよいが、ISO導入目的としてパフォーマンスをあげるいうことでは、組織活動のアウトプットを受ける顧客からの視点で監査をしなければ意味がない。
不良がゼロでないのは、どのプロセスに問題があるのか、計画した目標と実績に差が出た場合、どのプロセスに問題があるのか探し出せる監査ができる監査員の養成が必要である。
内部監査員としての資質は、会社をよくしようという気構えの上に、規格の解釈を理解し、不良ゼロのものづくりの知識、目標管理の計画、実施、運用知識を有し、全体から部分を見る全体最適化の知識が必要である。
しかし、知識だけでは監査できない。プロセスを運用するのは人であるから、監査員は、人と人の関連性を対話を通して、質問し、傾聴し、そして、問題プロセスはどこか、本質に迫れるファシリテーション能力を養う必要がある。
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