以前の話である。6ヶ月でスリムなしくみでISO9001を認証した顧客から、ISO認証して1年経った知合いの企業を紹介された。その企業の社長は、ISOに相当費用を投入したが、重装備のISOとなり、運用維持が負担になっている。何とかスリムなしくみに再構築をしたいという。
再構築を引き受けしたが、すぐ、当初より予想はしていたが、ISO推進責任者の品質管理部長の意識を変える難しさに直面した。経営者はISOを経営革新に役立つものにしたいと考え、品質管理部長は仕事を標準化すること、文書化を徹底して決めたことを守らせることが品質向上をすると考えていた。
再構築のため「過去は捨ててください」とコンサルを開始したが、品質管理部長は、「現状に問題ない」と全人格否定されるのではと恐れ抵抗した。社長は経営効率化、品質管理部長は品質向上と狙うという着眼した目的に違いがあり、すれ違いになり品質管理向上の品質管理システムができしまった。
見方を変えると、社長は「ISO9001認証の目的は何か」の合意をしないうちに、担当部長に特命を出してしまった。品質管理部長は、品質向上をISO規格で実現しようと苦労したものを「過去は捨ててください」といわれれば心中穏やかでない。
まず、幹部社員でISOとは、自社にとって何なのか、目的の目的を議論した。そして、着眼する目的には階層があるという理解のもとに、「ISOは利益を出す道具」と合意をした。次に、利益による目標は、会社と社員(自分)がどのような関係なのか理解するための全社員教育も行った。要するに、ISOシステムを利益改善の道具と位置づけ、コストダウンが目的と合意した。ISO的仕事のやり方は、ポカミスを減らすという実績が出ると、あっという間に幹部社員の意識が変わった。
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