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コンサルの現場から

コラムNo.33

『社内不良集計に振り回される』


ISO9002導入準備を進めている18名のプリント基板を実装している企業がある。
取引先は大手企業が多く、多品種少量の短納期生産を器用にこなしている。顧客からの品質クレームは少ないが、社内不良が多い。クレーム集計はされているが、社内不良の集計の集計はされていなかった。

目標管理に社内不良の削減をあげ、その評価のために社内不良の集計を始めた。全ての製品を対象に、得意先別、機種別に集計し始めたが集計作業に時間を取られ、10日になっても前月の不良集計が終わらず、パニック状態になってしまっていた。

<不良集計の目的を考える>
不良集計の目的を明確にする。不良をきちっと集計するのが目的でなく、不良を減らすのが目的である。ISOだからといってなんでもかんでも集計することではない。
不良集計と不良削減の費用対効果を考えるのがわかりやすい。例えば、もっとも問題のありそうな製品や得意先絞り込み改善を基本に集計する。年中ということではなく、期間限定で目的が達成できたら集計をやめる。

<品質システムの有効性から考える>
品質システムの有効性の成果として、社内不良、社外クレームは重要な評価項目である。
集計しないと効果の測定ができずメクラ飛行となる。品質システムの評価としてどこまで集計するか検討する。

例えば

1) 社外クレーム(顧客が発見) 発生部門別、製品別すべて集計
2) 社内不良でロット不良(次工程で発見) 製品別、原因別集計
3) 社内不良で単発不良(次工程で発見) 製品別、原因別集計
4) 社内不良を工程内検査で発見 不良リストを作る
5) 中間チェック、最終チェックで発見 不良リストを作成
6) 初物チェックで不良、寸法調整品 一定個数以上リストを作る

不良削減の対応

是正処置を実施し掲示する 1)、2)
製品情報としてリスト作成し掲示する 3)、4)
作業の技能向上の評価項目とする 5)、6)

<不良状況を周知するだけで慢性不良が激減する>
集計グラフ、集計リストを掲示し、朝礼で話し合うだけで不良が減る。不良原因として“決めたことを守れば、出ないはず不良”に効果的なやり方である。
上記の 2)、3)、4)、5)に有効な方法である。 REPORT No5参照


文・末広繁和
更新日:2001-05-23 10:56:55

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