ISOを活用した組織を元気にする
シスラボISOネットワーク

シスラボISOネットワークトップイメージ

コンサルの現場から

コラムNo.667

『ISO統合システムのマニュアルの使い方』


ISOを運用している人達に、 ”ISOマニュアル” とは何か、と質問すると、ほどんとの人は、、”ISO規格要求事項を示すもの”という答えが返ってくる。”日常業務として、常時使っている” という答えが返ってきたことはない。中澤製作所(千曲市 10名のプレス業、5つのISO統合システムを構築)では、”マニュアルはマネジメントを教える教科書”と再定義した。

教科書(ISO統合マニュアル)とマネジメントシステムの位置付け

 

そもそもISO規格は、マネジメントを行うためのPDCAの構造で書かれている。マニュアルとは、日常行われている業務そのものの手順と考えればよい。ISOマニュアルを教科書と再定義すれば、経営者の想いである「経営方針〜経営計画〜実行計画を実現」するため道具として使える。特に、2015年改訂のISO9001、ISO14001もMSS(Management System Standards)採用で統合化し易くなった。

ISOマニュアルの作成は、企業経営のリスクと機会を明確にすることがスタートである。いかにリスクに対応するか、という適応策と、いかにリスクを軽減するか、という緩和策の手順を決めておくことである。日々の活動で不具合が生じた時、だれが、何に基いて、どのような手順で、どのようにするかがマニュアルにあれば、この手順が正しかったか(適合)、あるいは、もっとよい方法があるか(有効)考えることができる。

中澤製作所では、教科書という再定義にこだわった。教科書として、マニュアルを位置付けるためには、3つのポイントがある。だれがマニュアルを使って仕事の手順を教えるか、どのように日常業務として定着させるか、そのようなマニュアルはどうあるべきかである。

だれがマニュアルで仕事を教えるか、これは力量のあるベテランの管理者が経営計画を達成するための仕事の手順を教えるためのものと位置付けるとよい。経営計画を達成するためには、品質、環境、労働安全衛生、情報管理などの切り口がある。

日常業務として定着させるためには多頻度、多回数、短時間、ピンポイントの内部監査を行うしくみを作り、”よい会社を作る”ためには、この決め方でよいかという有効性監査を行うことである。

統合マニュアル(手順書)の文書化する場合、手順と標準を混同しないことである。ISOでは、必要な手順を明確にすることを要求しているが標準は要求していない。標準は当たり前に必要なものはあるという前提である。仕事の文書化された手順は、文書そのもの、表形式、イラスト、写真など使いやすいように作ればよい。

中澤製作所の審査時点でのマニュアルは、5つの規格の要求事項を110頁でまとめた統合マニュアルを作成した。この中には、教科書として使うために、手順を教えるイラストや必要な書式も網羅している。この他にBCP運用手順(訓練用)、防災マニュアル(訓練用)、ISMSの情報セキュリティ適用宣言書(訓練用)、元々使っているものとしての規格・条件表がある。 110頁のマネジメントを教える教科書としての統合マニュアルを日々使い易いように 現場からの意見で、現場配布用はB5版に縮小して使っている。


文・末広繁和
更新日:2014-10-31 04:58:25

シスラボISOネットワークバックイメージ
SYSLABISO.com  
(C)2000-2008シスラボISOネットワーク All rights reserved.
コンテンツ内の画像、文章、HTMLなどの転載禁止
著作権で保護されています。
Powered by CINFO.jp
  シスラボ・スエヒロ
syslab-ISO-networkを運営している シスラボ・スエヒロのホームページ。
お問い合わせ・質問などはこちらまで。