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コンサルの現場から

コラムNo.680

『ISO文書体系の捉え方』


ISOの認証制度が始まって以来、ISOの文書化に悩んでいる企業が多い。スリムなマネジメントシステム、スリムな文書化を実現するためには、何のためのマネジメントシステムか、その目的は何か、文書体系や文書の目的とは何か、考えることである。

やみくもに、人まねでピラミット型の文書体系が必要と考えると膨大な文書となり、文書に振り回されるISOになる。

ず、手順と標準を混同しないことである。いろいろな企業で手順と標準を区別している企業はほとんどない。この2つを区別して考えると文書のスリム化ができる。ISO規格要求では、文書化された手順を要求しているが標準は要求していない。実際は、標準化の文書に時間をかけている企業が多い。

手順とは、仕事の順序と責任を書いたもので、「だれが、何に基いて、どのように・・・」と記述する。手順は、プロセスを説明するものである。1つのプロセスを詳しく説明するためには、、「だれが、どの設備を使い、どの材料を、その製品の基準や検査規格を用いて、どのようにつくる」かである。ようするに5Mを説明することで外部から仕事が見えるようになる。

標準は、だれが行っても同じものができる作業上のコツや注意事項を書いたものである。、品質保証をするためには標準化が必要であり、もの作りの基本となる文書である。具体的には、製品の規格、検査の規格、もの作りの条件表などがある。

結果的に文書の量が多くなるのは、標準化が必要な少品種大量生産型の場合であり、標準化よりも技能を重視した多品種少量型生産では文書の量が少ない。以前、3人でISO9001を認証した企業があるが、すべての仕事を28枚の品質マニュアル(手順書)で行っていた。この会社は、作業標準書がほとんどない、なくても5年間品質クレームゼロの会社であった。

さらに、どこまで文書化すればよいのか、ISO9001の文書に関する要求事項の一般では、文書化の程度として、?組織の規模及び活動の種類、?プロセス及びそれらの相互関係の複雑さ、?要員の力量によるとある。

中小企業におけるスリムな文書化のコツは、文書化の程度を身の丈に合わせ、文書体系を卵型で考えることである。卵の黄身の部分は、ものづくりに必要な文書、標準書、卵の白身の部分は、経営の質を向上させる手順と考える。

このようなことから統合マニュアルは、「手順書」と再定義すると文書は少なくてすむ。黄身の部分は、どのような会社でも元々ある。10名の会社で、5つのISO規格を統合した統合マニュアルも110頁で済んだ。

卵型の文書体系 手順(統合マニュアル、書式、台帳)、標準(規格、条件表)、外部文書で構成される。


文・末広繁和
更新日:2014-10-31 05:16:54

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