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コンサルの現場から

コラムNo.77

『5S活動の成果を経常利益で評価する必要性』


“決めたことをいつでも確実に守ること”は難しい。例えば、5Sは典型的な例である。社長の号令のもと、挑戦してみるが、一応きれいになると、忙しいからという理由などで、いつの間にか元に戻っている。また、何かの機会に5Sの号令がかかる。そして、又戻る。

なぜか? 5Sの導入は目的があるようで、ないのである。“5Sを導入して能率を上げよう”などは、一見明確なようであるが、5Sによる能率向上成果の評価尺度を決めていなければいつの間にか崩れる。5Sパトロールは一時的に効果的であるが、目的が不明確だと形骸化してしまう。

ISO導入後慢性不良が半減した企業を訪問してみると、5Sが確実に維持されている。5Sの目的をISO導入の前提条件として捉え“決めたことを守る”ことが顧客に安心感を与える。不良の予防、パフォーマンス向上(コストダウン)と位置づけている。

ISO運用では、絶えず顧客から見られているという認識と内部監査そしてサーベランス(審査機関からの定期審査)が5S維持に貢献している。“決めたことを守る”体制を維持するためには、5Sが基本であることが動機となっている。しかし、ISO運用過程での成果を評価するという観点からは充分とはいえない。

1週間前、5Sを導入し3年間熱心に取り組んでいるという企業を訪問した。社長から取り組み始めた頃は、社員からの改善提案があったが、最近マンネリ化してあまり提案も出てこなくなったといっていた。やはり、目的を評価する尺度を持っていなかった。

5Sは利益を出す改善と位置づけると、個々の成果は小さく、個々に利益で評価することは難しい。しかし、日常業務の積み上げが最終的には、会社の経常利益という形で損益計算書に表される。

組織としての達成すべき改善テーマを各部門の具体的改善項目と連鎖させて、改善活動を行い、その成果を月初に経常利益で評価する。経常利益の変化と個々の改善目標の達成度を関連づけて見ていく必要がある。


文・末広繁和
更新日:2004-01-19 11:20:53

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